骨組み(軸組)④ 筋違編
筋違
筋違とは柱と柱の間に斜めに入れる材で、建物の揺れに対して抵抗する為に入れる材です。
上記図のように1箇所につき、筋違が一本だけ入れる物は片筋違と呼び、
バッテン(X字)に入れる物はたすき掛け筋違と呼びます。
筋違のサイズ
筋違には使用する木材の断面積でも2種類あり、30㎜×90㎜と45㎜×90㎜がありますが、
近年では45㎜×90㎜が主流となっています。
この断面積での違いは、耐力の強さの違いとなっています。
筋違の両端部には筋違金物と呼ばれる金物をビス留めします。
壁耐力
この耐力という言葉ですが、建物を地震や風等の揺れに耐えさせる意味を持ちます。
ですので建物の構造を検討する際に、地震力と風圧力に関して問題が無いかの検討をします。
最近言われる耐震等級も、この地震力の計算数値の結果が建築基準法の何倍かで決まります。
ちなみに、耐震等級は1~3まであり、耐震等級1が建築基準法を満たしたものとなります。
耐震等級2は耐震等級1の1.25倍
耐震等級3は耐震等級1の1.5倍となっています。
面材耐力壁
筋違ですが、最近は使用しない住宅も増えてきており、
その場合は面材にて耐力を確保していきます。
この面材とは、構造用合板等の板材を指し、指定された釘を規定の間隔で打ち込む事で耐力を発揮します。
面材にも種類があり、一般的なものは構造用合板(針葉樹合板・ラーチ合板)となります。
その他、大建工業のダイライトMSや、
ノボパン等があります。
各材料共、試験機関で検査を受けた際の、決められた使い方があります。
ですので、必ず施工要綱を確認してから施工する等の注意が必要になります。
耐力壁用の釘の種類
構造用合板は釘打ちが基本になります。
その際に使用する釘は50㎜の長さの物となります。
釘ですが、こちらも種類があり、N釘・CN釘・ZN釘等があります。
大きな違いは釘の太さになり、CN釘の方が太くなります。
面材に使用する釘は、N釘とCN釘のどちらかとなります。(通常はN50が多いです)
ちなみにCN釘は、2×4住宅を建てる際の構造材同士の固定にも使用される釘でもあります。
ロール状の釘ですが、留める本数が多いのでエアー釘打ち機、通称鉄砲を使用して打込んでいきます。
ですので金槌(玄翁)を使うのは、頭が飛び出た場合や、不足箇所を追加で打ち込む時ぐらいになりますね。
仮筋
補足で、ブログのサムネイル画像の筋違は、仮筋(かりすじ)と呼ばれるものです。
建方時に柱・梁を組み上げた時に発生する歪みを、建て入れ直しと呼ばれる作業をして修正し、
その状態を保持するための物になります。
これらは筋違や各種面材を設置し、建物の形が固定出来たら取外しをする仮の材料です。
ですので、仮の筋違で仮筋と呼んでいます。
以上、グロウクラフトでした。