RC造② 鉄筋工事
ちょっと間が空いてしまいましたが、今回は鉄筋について書きたいと思います。
鉄筋の種類
鉄筋には2種類あり、丸鋼と異形鉄筋(異形棒鋼)があります。
丸鋼はSR(Steel Round Bar)と表記され、表面が平滑な鉄筋となります。
図面では、φ9、φ13・・・等と、頭にφを入れて記載します。
異形鉄筋はSD(Steel Deformed Bar)と表記され、表面にリブ状の突起が付いています。
図面では、D10、D13・・・等と、頭にDを入れて記載します。
異形鉄筋は丸鋼に比べて、許容付着応力度が約67%大きいという利点がある為、鉄筋量や継手の重ね長さ、
定着長さを短くする事ができ、現在の主流の鉄筋となっています。
ですので、丸鋼は近年の新築ではほぼ見る事が出来ず、既存建物の改修の際に見かける程度となっています。
ですので良い写真がありませんでした。。。
鉄筋の名称
鉄筋を配筋する際、各箇所に合わせた呼び方があります。
【主筋】
柱・梁の主となる鉄筋で、構成部材の中で一番太い鉄筋の事。
【スターラップ(スタラップ)】
あばら筋とも呼ばれ、梁に使用するせん断補強金の事。
【フープ】
帯筋(おびきん)とも呼ばれ、柱に使用するせん断補強金の事。
【腹筋】
梁の上端筋と下端筋の間に入れる補強筋の事。
【幅止め筋】
主筋・腹筋が広がらないようにする為の補強筋の事。
【開口補強筋】
斜筋とも表現される物で、開口部の強度不足を補う斜めに入れる補強筋の事。
【スペーサー】
鉄筋のかぶり厚さを確保する為に使用する治具。プラスチック製・モルタル製・鉄製等の種類があります。
鉄筋を配筋する際に注意しないといけない重要な事が3つあります。
それは【鉄筋かぶり厚さ】と【鉄筋のあき】と【鉄筋の継手・定着】になります。
かぶり厚さ
かぶり厚さとは、鉄筋の表面からこれを覆うコンクリート表面までの最短寸法を指します。
鉄筋の耐久性・耐火性を確保するよう部所により最小値が定められています。
数値的には全てではないですが、大体以下の表のようになります。
JASS5とは、建築工事標準仕様書と呼ばれるもので、建築基準法施行令は最低基準となりますが、
施行令に実耐用を加味した仕様となり、実際の工事の際はJASS5を使用する事が殆どです。
ですので殆どが耐久性を上げるために、10㎜程数値が大きくなっています。
鉄筋のあき
鉄筋の間隔をあまり密にすると、コンクリートの打設や型枠内での移動を妨げる原因となるので、一定寸法を確保する必要があります。
実際の数値としましては以下の通りとなります。
以下の数値の内、最大の物
①鉄筋径の数値の1.5倍
②粗骨材寸法の1.25倍
③ 25㎜
以上の事より、最低25㎜はあいていないといけないという事になります。
鉄筋の継手・定着
まず鉄筋の継手とは、本来1本物で使用する事が望ましい鉄筋を、
設計・運搬・施工上の都合でやむを得ず2本使用しないといけなく、その場合の鉄筋相互を材軸方向に継ぐことをいいます。
継手の種類には、重ね継手・ガス圧接・機械式継手などの種類がありますが、これらも事細かに要綱が決まっています。
次に定着ですが、コンクリート中の鉄筋や鋼材が移動したり引き抜けたりしないように、
必要な長さをコンクリートに埋め込んで固定する事を言います。
定着の長さも要綱が事細かに決まっており、鉄筋の種類、コンクリート強度、定着箇所、フックの有無などで変わっていきます。
通常35dや40dという数値が多いですね。
dとは鉄筋径を指し、鉄筋径が13㎜の場合は35×13=455㎜の定着、40dの場合は520㎜の定着長さとなります。
定着長さをどこから測るか間違えないようにする必要がある為、十分に注意が必要になります。
次回はコンクリートの事について書いてみたいと思います。
以上、グロウクラフト 片倉でした。