RC造③ コンクリート工事

コンクリートの打設状況の写真

今回はRC造最後のコンクリートに関して書きたいと思います。

コンクリートとは

①セメント

②水

③砂(細骨材)

④砂利(粗骨材)

の4種を練り混ぜて作られたものを指します。

似たような物でモルタルがありますが、

こちらは①セメント+②水+③砂(細骨材)を練り混ぜたものを指します。

ついでに、①セメント+②水だけを練り混ぜたものをセメントペーストと呼びます。

固まるメカニズム

セメントに適量の水を混ぜると【水和反応】という化学反応が起こり、

徐々に流動性が低下していき水和生成物ができます。

その水和生成物と粗骨材・細骨材とが噛み合わさって構成されたものがコンクリートになります。

コンクリートの品質

現在、建物で使用するコンクリートの殆どはプラントと呼ばれる専門工場(JIS工場)で練られた

レディーミクストコンクリートを使用しており、当然現場練りと比較して品質が安定しています。

この品質には、以下の管理ポイントがあります。

  • コンクリートの種類
  • 呼び強度
  • スランプ値
  • 粗骨材の最大寸法
  • セメントの種類
  • 単位水量
  • アルカリ量
  • 空気量
  • 塩化物量
  • コンクリート温度
  • 運搬時間

等々があります。

コンクリートの発注時にプラントから、

指定性能を満たすコンクリートの配合計画書を提出してもらいます。

その配合計画書の内容で問題が無ければ実際に納品をしてもらい、

さらに納品された時に以下のような現場チェックをしていきます。

コンクリートの現場採取試験の状況写真

更に、写真右側の黒い鉄枠内に充填したコンクリートを、1週・4週で実際に荷重を掛けた圧縮強度試験を行い、

実際に必要なコンクリート強度が発現しているか、実際に建物で使用しているコンクリートで検査をします。

設計基準強度に品質保証や温度補正を加えた数値のコンクリートの場合、

強度が発現しないという事は今まで無かったので、プラントでの生産品質の高さが窺えますね。

コンクリートの打設

コンクリートの現場への納品は生コン車を使用し、圧送車(ポンプ車)に一旦入れられ、圧送車からホースを使い打ち込み場所まで運ばれます。

コンクリートの打設は、一般に鉛直部材である柱・壁を先行して行い、次いで水平部材の梁・床の順に行っていきます。

コンクリート打設の写真

打設したコンクリートが型枠の隅々まで入り込ませるため、

  • バイブレーター(高周波振動機)を掛ける
  • 木づちで型枠を叩く
  • 竹棒で上から突く

等の作業を行い、空隙やジャンカが発生しないように十分に締固めを行います。

打ち込み時、生コン車の現場到着時間が遅れてしまうと、最初に打設したコンクリートの硬化が進み、

次に打設したコンクリートと一体にならない、コールドジョイントという現象が発生してしまう為、

事前にプラントとの協議も重要になっていきます。

コンクリート養生

コンクリートの打設後は【温度】と【水】が重要なポイントになります。

ですので急激な乾燥、過度の高温または低温の影響、急激な温度変化、振動等の外力の影響を受けないようにする必要があります。

特に湿潤養生(散水養生)は欠かせないもので、表面硬化後の打ち水は推奨されています。

すなわち硬化や強度発現に必要な水が、外部要因で無くならないようにする為です。

コンクリート自体は非常に奥が深く、化学的な内容も多く絡んでおります。

書き始めると資料のようになってしまいますので、とりあえずこんな感じの触りで終わらせてもらいます。

以上、グロウクラフト 片倉でした。