雨漏りについて③ 窓から

今回は窓からの雨漏りについて書きたいと思います。

窓回りからの雨漏りは昔から原因として多く、

その為に窓回りの雨仕舞(雨が入らないようにする為の措置の事)の方法は

ここ10年で随分と変わりました。

以前は、2次防水の防水紙(アスファルトフェルトやタイベック)を貼る際、窓に突き付けで貼るのみでしたが、

より防水性を高めるために、サッシのツバに防水テープを先に張り、防水紙を重ねる方法に。

防水テープ貼り
サッシ廻りに防水テープを貼った状態

その後、上端とタテの防水テープを両面にし、防水紙とサッシを密着させ、下端は水切りシートを張り、

サッシ内を通った雨水をまた外に排出させるように変わりました。

サッシ下に水切りシートを入れた施工方法

その際、何度か話題に上がったピンホールの問題が発生してしまう事で、

ストレッチタイプの防水テープを角部ピンホールの補強に使用するようになりました。

そして現在の主流は、下端のみ各メーカーから出ている一体成型品の防水部材を使用する方法です。

窓下の一体成型の防水役物の写真

一体成型なのでピンホールが無く非常に効果的です。

防水役物上にサッシを取り付けた状態

品質を高めやすく、ある意味施工者に優しく思えますが、

実はちゃんとやろうとすると意外と手間は掛かります。

先に固定用の防水テープを張り、コーナー部材と直線部材の連結部にも防水テープを張る等、

メーカーの施工要綱を十分に理解し施工する事が求められます。

バルコニーに出る掃き出し窓の場合は、

防水の施工範囲を窓を乗せる窓台まで巻き込んで施工しておき、その上で窓を取り付けます。

掃き出し窓の防水施工範囲

その際に窓の下から吹き上げた雨水が建物内に入らないように、

窓を設置する前にコーキングを先打ちし、その上で窓を取り付けます。

掃き出し窓設置前の先打ちコーキング

外壁との取り合いに戻りますが、最近ではより防水性を高める為、

防水紙を貼った状態で窓とコーキングを繋ぐコーキングを入れる方法をとる事もあります。

窓設置後のサッシと防水紙の密着用のコーキング処置

防水テープと窓、防水テープ防水紙が密着していれば良いですが、

そこは工事現場なので、不陸やゴミの付着があったり、

ヒューマンエラーを回避するためにおこないます。

以上が施工時に講じる雨漏り防止措置になります。

万が一雨漏りが発生し、各種試験をして窓回りからの雨漏りが原因だと判明した際、

一番簡易的な非破壊防水措置としてコーキングを施す方法があります。

グロウクラフトの窓回りコーキングの写真
窓回りのコーキング打ち

コストバランスを考えると有効な手段となります。

この際に注意しないといけないのが、コーキングを打つ前に下処理としての

プライマー塗布を必ず行うという事になります。

グロウクラフトのプライマー塗布の写真
プライマー塗布の状況

雨漏りに対しての処置なので、付着力は最大限に出す必要があるので、必ず施す必要があります。

ただし、コーキング自体は日当たりにもよりますが紫外線劣化をおこします。

ですので、劣化が進んできた際に再度雨漏りが再発してしまうという事が・・・。

費用も日数も掛かってしまいますが、根本原因から直すという事を選択されると、

安心に住まう事が出来ますので、断然お勧めします。

屋根に関係しますが、窓という事でトップライト(天窓)についても書いてみます。

窓回りの止水措置としてコーキングを使用しているのですが、

やはりこちらも上記記載の通り劣化をしてきます。

そうすると雨漏りしてきます。

根本的な設置時の立上り不足とかではなく、コーキングが原因であれば打ち直しで直る事が殆どです。

トップライトのシール打ち直し状況

ですので外部塗直しの際は、トップライトのシール打ち直しも必ず行うようにして下さい。

最後に、経験より思う事は最新の方法が最善というわけでは無く、

以前の方法であったとしても別に問題ないのです。

ちゃんとやっていれば以前のやり方でも雨漏りしないので!

ですので施工者次第なのだなと。

何事もそうですが、ただ漫然に行うのではなく、状況事で何が重要か、

何に注意が必要かをよく考えながら施工する事が求められると思います。

その為には施工者の意識が高くないといけないのだなと肝に銘じています。

以上、グロウクラフト 片倉でした。