DIYウッドスピーカー(スマホスピーカー)製作

今回はちょっと趣向を変え、小物作りの事を書きたいと思います。
子供からスマホ用の自作スピーカーを作って欲しい!とお願いされやってみる事に。
まずは図面作成になります。
どういった形・作りが良いかネットで調べ、実際に図面化していきます。
型紙にもしたいので、今回は原寸で作図していきます。

今回は音の大きさや、音質に関しても比べたいと思いましたので、2種類作成してみます。
左側は出来上がりが直方体になる物、右側はガマ口型になる物の図になります。
実際に自分のスマホ(iphone12pro)のサイズより、差込口のサイズは12㎜×80㎜としています。
子供のスマホはiphone8なので、一回り小さいので問題無し。
iphoneのスピーカー位置は中心より少し右にあるので、スピーカーの真下になるように音の通る通路入り口を作ります。
調べると、通路が長い方が音が大きくなりやすいという事で、直方体の方は距離を稼ぐ為あえてスピーカーの反対側に音の出口を設けてみました。
ガマ口型は迷路状に通路をくねらせてみる事にしてみます。
次に板の切り出しになります。
余っている材料を使用したいので、ベニア12㎜とランバー21㎜を使用しました。

ベニアの15㎜は残念ながら無かったので、直方体の方は12㎜を4層にする形で仕様変更しています。
次に図面から切り抜きたい線を墨出ししていきます。
ここで原寸にした図が役立ちます。
角に針状の跡を付けて、線を結んでいけば簡単に墨付けできます。
音の通り口の穴や、カーブさせたい所を先に木キリで穴をあけます。

今回の穴はφ12の物を使用しています。
まだ写真では開けていませんが、直方体の音の出口の穴はφ45のホールソーを使用してあけていきます。
切り出しにはスライド丸鋸と手鋸と回し引きを使用しました。
次に仮並べしていきます。

切り出した材料の組み合わせ順序や、サイズの間違いが無いかの確認をしています。
この時にガマ口型の方だけ仮にスマホをセットして音を出してみました。
したら通路が長すぎたのか、音が小さいという事が判明!

いくつか検証した結果、通路を1曲り分少なくすることにしました。
組み上げる前にテストして大正解でした。
合わせて、スマホの差込口も垂直だとつまらないなと思い、斜めにすることにしました。
次に接着していきます。

木工用ボンドを塗って、クランプで固定しています。
この時、速乾タイプを使用すると乾燥時間がだいぶ短くてすみます。
次に乾燥後の状態になります。

ほぼ形が見えてきました。
ベニアを接着していく積層の造りなので、側面はだいぶ不揃いになってしまっていますので、ヤスリ掛けして均していきます。
今回は角も尖らせたくないので、アール面を取っていきます。
今回は粗削りにマキタのランダムオービットサンダ #60、中削りにマキタの仕上げサンダ #120を使用し、
最後の仕上げは紙やすり #240を手でヤスリ掛けしています。

かなり丸みを帯びた感じになってくれています。
ベニアのす(隙間)が入ってしまっていた部分は、ウッドパテで埋めています。
パテが乾いたら、再度ペーパーを当てて均して、塗装下地の完成になります。
そして塗装をしていきます。

今回はベニアの積層の目を消したいので、水性の水色のペンキで塗りつぶしにします。
ステイン系やオイル系の透けた感じもお好みで良いと思います。

下塗りが完了しました。
全面塗装していますので、底面は浮かせておかないと乾かない為、ベニアにビスを打ち込んだもので持ち上げています。
こうすればビスの先端の点だけで支えてくれますので、乾きますし、跡も残りません。

下塗りが乾きましたら、また紙やすり #320で軽くペーパー掛けしていきます。
木材は塗装を乗せると寝ていた目が立つという現象を起こします。
ですので1回塗りで終わらせてしまうと、ザラザラとした肌になってしまい仕上がり具合が悪いので、
必ず立った目をペーパーで削って均してあげると良いです。

2回目の塗装が完了し、養生をしています。
2回目の塗装が乾いた後、再度目が立つ事がありますので、その時は同じ工程をもう一度やると尚良いです。
今回は大丈夫でしたので、2回で完了としました。

完成となりました。
それでは試験を行います。
何もしないそのままの状態が約50dBでしたが、
直方体型で約60dBとなり、ガマ口型でも60dB程という結果。
しかしガマ口型の方が音の広がりや、音のクリアさがかなり高く、数値以上に大きく聞こえるという結果になっています。
ただ、シンプルなのは直方体型なので、子供好みは直方体型なのかな・・・
自作スピーカーなので、改変したいと思えば作り直しをし、色々試せるのは良い所ですね。
もし製作図を参考に欲しいという方がいらっしゃいましたら、メール下されば送りますのでお気軽に~
以上、グロウクラフト 片倉でした。