基礎

建物の基礎の全景写真
建物基礎

今回は基礎に関して書いていきたいと思います。

基礎とは建物の一番下にある、鉄筋コンクリート製の建物荷重を支える重要な構造体となります。

現場では基礎の精度が良くないと、その後の木工事にも大きな影響が発生すると言われています。

基礎には大きく3種類あります。

【独立基礎】

柱の直下にその柱を受けるだけの大きさの基礎を設置する方法になり、デッキ柱や玄関庇受け柱など荷重の軽い部分に使用されます。

住宅の建物基礎として使用されることはありません。

【布基礎】

布基礎のイメージ画像
布基礎イメージ

断面形状は逆T字型をしており、ベタ基礎の底が抜けたような見た目になります。

一昔前は殆どの住宅が布基礎でした。鉄骨造の建物では今でも主流の基礎になります。

基礎の内側は土が露出して湿気が上がりやすい為、近年では防湿対策のフィルム・コンクリートを施工したものもあります。

強度的には地盤に問題が何も無ければよいですが、地耐力に多少でも強弱があると、基礎にひび割れなどが起きる場合もあります。

【ベタ基礎】

ベタ基礎のイメージ画像
ベタ基礎イメージ

箱の蓋を取ったような形の基礎です。

このベタ基礎が、昨今の住宅の基礎の標準的な仕様となっています。

基礎の内側の底部にも鉄筋コンクリートを施工するため、強度的にとても強いです。

土も見えていないので地面からの湿気も上がりません。

基礎全体が一体である為、建物の荷重を均等に地面に伝え、不動沈下などの減少に強いです。

それにより多少の軟弱地盤でも地盤改良工事をしなくても良い場合があります。

基礎の材質

基礎は鉄筋コンクリート製である事から、構成する材料は、

・鉄筋

・コンクリート

の2種類となります。

この鉄筋・コンクリートにも、重要な管理ポイントがあります。

簡単に箇条書きにしてみます。

【鉄筋工事】

  • 材料の種類を鋼材証明書(ミルシート)でチェック
  • 指定された太さ本数かのチェック
  • 鉄筋相互の間隔が問題無いかのチェック
  • 鉄筋の被り寸法が確保されているかのチェック
  • 鉄筋同士の空き寸法のチェック
  • 鉄筋同士の重ね継手のチェック
  • 補強筋の入れ方や、結束ピッチのチェック

【コンクリート工事】

  • コンクリート発注前の配合計画書のチェック
  • 納品時の伝票のチェック(強度や時間等)
  • 納品時の製品自体の現場採取チェック(スランプや温度、塩化物、空気量測定等)
  • 現場採取したテストピースの圧縮強度試験(1週・4週)
  • 打設間隔の管理や、打設時の締固め具合の管理
  • 打設後の養生管理

簡単には以上となります。

鉄筋コンクリート造の建物と管理ポイントが重複していく為、実際はもっと細かい内容になります。

ですので今回は簡単にしましたが、今後鉄筋だけ、コンクリートだけを抜き出したブログも書きたいと思います。

アンカーボルト

鉄筋の配筋が完了した後、コンクリート打設までの間に、アンカーボルトを先に設置していきます。

アンカーボルトの埋め込まれる方は、コンクリートから抜けないようにL字だったり、Uの字だったりの返しが付いている為、後から設置する事が出来ないからです。

そのアンカーボルトですが、いくつか種類があります。

アンカーボルト、ホールダウンアンカーボルトの写真
アンカーボルト設置
  • M12のアンカーボルト
  • M16のホールダウン用アンカーボルト

特殊なものとしてM20のアンカーボルトがあります。

アンカーボルトの役割

アンカーボルトの役割は、建物を基礎と緊結させるものとなり、以前ブログで書いた土台を据えた後にナットで締め込みます。

ホールダウンの役割は、構造的に引き抜きの力が掛る柱に対し、引き抜きに対抗するために入れるもので、基礎と柱とを緊結させるために使用されます。

ですので使用用途が違い、長さもホールダウン用の方が長いものとなります。

M20の物も基礎と柱を緊結させるものですが、柱脚部に専用の柱脚金物を使用した際に使われるものとなります。

M16のホールダウンですが、通常の物と、高耐力の物の2種類があり、構造計算の結果で使い分けをしていきます。

余談ですが、M12とM16というは、直径が12㎜とか16㎜のボルトという意味になります。

以上、グロウクラフト 片倉でした。