家づくり⑥

今の家は商品としての性格がとても強くなってきました。

材料や作られ方を考えて見ましょう。

まずは骨組みです。


昔の家に比べると格段に細くキャシャになりました。

通し柱を例にとると105㎜×105㎜が多く、良くても太くても120㎜×120㎜です。

材料は輸入集成材を使用することが増えてきました。

比較的安値で、材が乾燥しているために狂いが少ないからです。

こうした細い骨組みがキソの上に載っています。

この骨組みを石膏ボードや構造用合板などで覆って壁や天井が作られます。

その上にビニールクロスが貼られます。

その中には断熱材や設備配管などが通っています。

床は合板などでふさがれます。

その上にフローリングなどの仕上げ材が貼られます。

このように床、壁、天井がボード状の材料で覆われています。

なぜ、こうした家の造りになっているかというと、そのほうが安くて性能のいい家になるからです。

建築コストの多くは人件費です。

そこで時間のかかる左官壁や大工造作を追放し、

代わりにボード状の材料(面材といいます)で床や壁、天井をつくるようにしたのです。

まず、細い骨組みに合板を張りまわして、構造的に強くします。

そして、左官壁の代わりにグラスウールなどの安値な断熱材を充填して熱の出入りを抑えます。

さらに、壁の内側と外側を石膏ボードやサイディングといった燃えない面材で包んで防火性能を上げます。

今の家は、造る側の効率や費用対効果を追求した結果、このようなつくりになったと考えます。

家は工業製品なのでしょうか?