骨組み(軸組)①  土台編

これから何回かは、骨組みを構成する木材に関して書きたいと思います。

昔ながらの工法で、柱と梁で構成される在来工法をベースにしていきます。

在来工法参考透視図

基本的な主要部の名称となりますが、

柱や梁といった材料にも、使用箇所で名前が変わったりします。

これ以外に床下地となる根太や、壁下地となる間柱等、様々な部位で細かく名前が付いています。

土台

まず、最初に敷き並べられるのが【土台】(どだい)となります。

上部の骨組みを基礎に緊結する役割を持ちます。

土台は地面に一番近い事もあり、白アリや腐食に強い材料を使う事とされています。

土台は地域によって使用する樹種が違っています。

東北地方ではヒバ材が多く、関東ではヒノキ材。関西ではヒノキ材、杉材となります。

私が育った工務店は青森出身という事で、ヒバを使用してきましたが、

国産の青森のヒバ(津軽ヒバ)はほとんど取れなくなってしまいました。

でしたので、米ヒバやヒノキ材を使用することが多かったです。

仲間の材木店ではヒノキよりも杉のほうが良いと言います。

ヒノキは白太部分が弱く、杉材の赤身を使ったほうが強いと言います。

杉は弱いイメージがありますが、中心部分の赤身は固く強い為です。

その他では栗などを使っている地域もあります。

日本の栗は水に強く、腐りも遅い材料ですが、成長が遅く、まっすぐに育ちません。

ですので、高価な材となり、一般的には線路の枕木などに使用されました。

材料の加工時の取り方として、ヒノキ・杉材は芯持ちで使用することが多い材料です。

ヒバは芯去りで使用します。

ヒバは芯を持っていると変形や曲がりが強く出てしまう傾向が多いからです。

そうでなくても曲りが強く出やすい特性を持っています。

芯去りで製材するには、元々の原木自体が大きい木材が必要になります。

青森では大きなヒバが無くなってしまったので流通が減ってしまいました。

最近では、防虫防蟻材を土台自体に加圧注入した材料を使用するケースも増えてきました。

一般的には「注入土台」と呼ばれたりします。

材種は米ツガが多く、元々は害虫に弱い材料ですが、

薬品を注入する事で、害虫や腐朽の被害が無いようにしている訳です。

ヒノキや杉・ヒバ等の天然材の材料のコスト・ムラを無くす為の策という事はわかりますが、

ちょっと残念な気持ちも正直あります。